「行政書士法の一部を改正する法律案」の成立
「行政書士法の一部を改正する法律案」が衆・参議院にて可決し成立いたしました。
昨今、自動車販売業者やテレビ局等、コンプライアンス、倫理、法令等に反した事件等の報道があります。
今まで、行政書士会では「非行政書士行為」について、問題視してきておりました。
例えば、不動産関係の業務で、自治体におかれる農業委員会に対して提出する「農地法上の申請書類」を、業者等自体が本来業務の付随的に作成提出する行為や、そもそも行政書士業務を本来業務として非行政書士行為を行っている者もいるようです。
今回の行政書士法改正で、知らずに非行政書士行為をしていた方もいるかもしれませんので、官公署に提出する書類や権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成提出されている方や法人等の方はご注意頂けますと幸いです。
何点か改正箇所がありますが、今回は2点の改正についてご説明いたします。
1点目
第十九条
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。
「、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、」の箇所が今回改正で追加された文言です。
以前からの法の意味合いは変更していませんが、非行政書士行為がより分かりやくなったと思います。
例えば、医療コンサルティングを本業としている者等が、医療法人申請(申請書等の作成。)代行したが、
報酬はコンサルティング料金しか受け取っていないという場合が、この条文に該当しうるかと思います。
2点目
第二十三条の三
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
「第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条」と「各本条の罰金刑」の箇所が今回改正で追加された文言です。
違法行為をした行政書士や行政書士法人も罰則の対象になるのは当然ですが、
非行政書士や非行政書士法人が行った場合も罰則の対象で、特に、行政書士でない者が非行政書士行為を行った場合には
その者を使用している者や法人にも罰則が科される両罰規定も整備されました。
例えば、「非行政書士行為を行ったのは、うちの従業員個人だから、雇っているわたくし社長・法人は関係ないんだよ。」
という事にはならないという事ですね。
この様に行政書士法違反により刑罰を受けることとなれば、コンプライアンス違反による信用失墜ばかりか、顧客離れにつながるなど、企業経営に計り知れない悪影響を与えることとなります。
行政書士の独占業務に、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。と第一条の二に明記されています。
行政書士の独占業務の一例として、車庫証明の申請がありますが、この申請自体は官公署に提出する書類になりますが、この申請の必要書類に「保管場所の所在地・配置図、自認書・使用承諾書」があります。
実際に車庫に行って、計測して作図する必要があります。これは事実証明に関する書類に該当します。
また、「自認書・使用承諾書」については、権利義務に関する書類に該当します。
改正法の施行日は令和8年1月1日です。